世界中に500ある洪水の物語
1) 世界中の文明が共有する大洪水の物語
ギリシャ神話のデウカリオンの箱舟と、インド神話のマヌ
ギリシャの洪水の物語
人間が堕落すると、神ゼウスは洪水で彼らを滅ぼすことに決めました。デウカリオンとその妻だけが、舟に乗って生き残りました。
インドの洪水の物語
マヌが一匹の小さな魚を助けると、その魚は実は神で、大洪水が来ると警告します。魚は舟(箱舟)を用意するよう告げます。マヌは生き残り、人間の世界は再び始まります。
「世界に大洪水の物語がいくつあるか、知っていますか?」
「500以上です」
「でも、もっと不思議なのは……
どれも、だいたい同じ時期を指していることです」
「一度も出会ったことのない文明が、
同じ物語を残したのです」
「神の怒り、巨大な洪水、
そして選ばれた一つの家族の生き残り」
「これは……偶然でしょうか?」
2) 接触のない文明が、同じ時間の枠を共有している
ノアの洪水、アジア、メソポタミアは、みな紀元前3千年紀半ばを指す
「聖書のノアの洪水は、
ふつう紀元前2500年ごろとされます」
「ところが……」
「メソポタミアの『ギルガメシュ叙事詩』の洪水も、
ほぼ同じ時期に設定されています」
「中国の大洪水と禹の物語は、
紀元前2200年ごろとされます」
「インドのマヌ神話も、
ほぼ同じ時代に属します」
「まったく違う地域なのに、
時期が重なっているのです」
3) 同じパターン:堕落、裁き、新しい始まり
壊滅的な罰と守られた血筋という、世界共通の物語
「さらに不気味なのは、その構造です」
「人間の堕落 → 神の裁き → 大洪水 →
わずかな生き残り → 新しい始まり」
「このパターンが……世界中でくり返されているのです」
4) 「氷が溶けた」では説明できない理由
氷河期の終わりとの大きな時間差と、突然の災害の物語
「多くの人が言います。
『氷河期の終わりに海面が上がっただけじゃないの?』」
「でも氷河期は、
紀元前1万年ごろに終わりました」
「これらの物語とは、
7000年もの差があるのです」
「そして氷河はゆっくり溶けますが、
これらの伝説が描いているのは『短く、突然の大災害』です」
結論:本物の出来事の記憶を、二通りに読む
巨大な共通の記憶が、それぞれの文化で神話になった
「考えられる説明は二つです」
「一つ:各地の局地的な洪水が、たまたま似た神話になった」
「二つ:どれも、一つの本物の大災害の記憶で、それを生き延びたわずかな人々の子孫が語り継いだ」
「あなたは、どちらが証拠によく合うと思いますか?」