世界がいちばん良く見えるのは、午前11時から午後6時
同じ人なのに、気分が違う
夜に出した人生の結論が、朝には疑いに変わり、午後にはたいしたことではなくなる。よくあることです。夜には「何もかも終わりだ」と感じる人が、午後には「たいしたことじゃない」と肩をすくめる。専門家は、この違いはその人の状況ではなく時間帯、つまり脳の状態から来ると指摘しています。
朝:世界が敵意に満ちて見える
目覚めた直後、覚醒ホルモンのコルチゾールが急上昇し、30〜45分のうちに起床時より50〜60%ほど高くなります。敏感な人には、この覚醒が不安や緊張として感じられます。ある種のうつでは朝のコルチゾールのリズムが乱れ、目を開けた瞬間に理由のわからない不安が押し寄せることもあります。その結果、朝は同じ状況でも、実際より敵対的に読み取られやすいのです。
午後:体と脳がバランスを取り戻す
コルチゾールの急上昇は1時間ほどで過ぎ、そのあと一日かけてゆっくり下がっていきます。一方、体温と覚醒度は午前中に上がり、夕方前にピークを迎えます。不安ホルモンが落ち着き、体がすっかり目覚めているこの時間帯、だいたい午前11時から午後6時が、一日でいちばん安定した時間とされています。世界がきれいに見えるのではありません。世界をありのままに見られる時間なのです。
夜:判断力が崩れる
夜になると、一日中心のエネルギーを使った脳は、否定的な考えをふるい落とす力を失います。一人でいる時間が長くなり、考えすぎにつながります。100万近いデータを分析した研究では、否定的な感情は朝にもっとも低く、真夜中ごろにピークに達しました。悲しみや怒りも朝にもっとも低く、夜にもっとも高かったのです。大規模なTwitterのデータでも同じでした。前向きな言葉は昼間に集まり、悲しみや怒りの言葉は夜に集まります。
感情が先、理由はあと
夜の気分は、出来事ではなく睡眠が作り出しているのかもしれない、という分析もあります。レム睡眠は感情的な記憶の処理を優先し、そのために中立的な記憶を捨てることさえあります。だから夢は覚えていないのに、気分や不安や怒りだけを抱えて目覚めることがあるのです。そして脳はその感情の理由を探し、近くにある手ごろな標的を選びます。感情が先にあって、犯人はあとから割り当てられるのです。
「夜の結論は、午後にもう一度見直そう」
まとめると、朝は生理的に不安定で、午後はバランスが取れていて、夜は疲れと孤立と考えすぎの時間です。大事なのは、夜に出した人生の結論や朝にわき上がる疑いは、真実というより、その時間の脳の状態である可能性が高いということです。夜に心が崩れそうになったら、それを結論として固めないでください。判断力がいちばん安定している午後に、もう一度見直してください。